🌹母の日の『着る人知らず』🌹

今日は母の日。

いつもは花屋からアレンジメントを贈っていましたが、 今年は、自分で花を選んで、束ねて、アレンジして送りました。 アレンジして残った小さな花を洗面台に飾ってみたのが下の写真です。

私の母は、着物を仕立る職人でした。 一本の反物から一枚の着物をつくるのですが、必ず端切れの布が残ります。 大きな端切れはお客様にお返ししますが、返しきれない端切れがたくさん残ります。

その端切れのことを母は「着る人知らず」と呼んで、捨てずにとっていました。

仕立てを頼んだお客様はその端切れの存在を知らないでしょうが、着物を仕立てる者の使命として、一本の反物にはいかに多くの蚕や職人の手が携わっているかに敬意もっていたので、捨てずにとっていたんだと思います。

無口で多くを語らない母ですが、ふとしたひと言のなかに、何かを大切にする気持ちに気づかされます。 端切れのように残った花の蕾をみると、贈った花が母に喜んでもらえますように。

そんな想いと母への感謝が、静かに胸の奥でふくらんでいきます。

＃母の日　＃感謝　＃着る人知らず